健康ではなくなったとき、何かを失ったように思えた。
強さがなくなった自分
完全ではなくなった自分
若くなくなった自分
10代の時、あるいは20代の時、自分の身体が壊れるということは想像もできなかった
弱くなった自分、失った自分、元に戻らない自分
そういうものを埋めようと、必死になって動き続けた
そして、どんどん体は悪化した
今になってみれば、それはそうだ
体はもう悲鳴を上げているのだから、そこに無理を重ねればより悪くなるに決まっている
しかし、以前は、自分が何かを失うということを受け入れられなかった
当時の自分は傲慢だったのだろう
自分が失うことを受け入れられないということは
人の欠落を、同じく受け入れられないということ
十全の人など、この世にはいない
全ての人が何かを抱え、何かを失い、そして生きている
その欠落は、愛でこそすれ、非難すべきものではない
欠落こそが個性であり、自分であり、存在なのだ
少しずつ、少しずつ
自分の弱さに向き合えるようになってきた
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